今回は珍しく商品の事の様な、そーでもないような、お仕事系のお話です。
良く電話やメールでも頂く事の多い事なのですが、【色】。コレって難しいですよね?10年以上、今の商売をやっていても本当に色の表現は難しいと思っています。
断言したくない色の感覚
僕がまだ入社仕立ての頃、上司や、ファッションビルの講義で教えられたのは『○○だと思います』的な曖昧な表現は使うな と言う事でした。
今でも接客や営業のイロハではそうなのかも知れません。確かに断言してしまったほうがお客様は安心するかも知れないし、そーすべきなのかも知れませんね。
でも、僕はそれが出来ないダメなスタッフです。以前は意識してそー伝えようと思っていた事もありましたが、今では皆無です。
特に『色』。コレに関しては絶対に断言出来ません。色の感覚は人によって違うし、表現方法も人、メーカーで様々ですから。
例えばコレ↓
今、在庫きらしちゃってるパーカーなのですが、メーカーさんはコレを『レッド』のカラーで表現しています。
でも、どー見ても赤と言うよりオレンジです。お客様も大半はオレンジと言います。
ですが、赤です。長時間の洗い加工で変化した赤。といったトコロでしょうか。とても微妙な表現ですが…。
他にはコレ↓
カラーは黒です。黒ほど難しいカラーは無いかも知れませんね。
コレは黒ですが、真っ黒ではありません。プルアップされた革なので独特のムラ感があります。
その『その独特のムラ感と』という表現もカラーとして表現するのはかなり難解です。部分的に白ッポイとかグレーッぽいと表現するのが的確なのか、まだらな感じがあると表現するのか、いまいち分かりません。
少なくとも真っ黒ではないが、黒である。という表現に間違いはありませんが、より細かいカラーの認識は感覚の差も大きくあるでしょうから、個人的な見解と、客観的な見解を数通り上げる事が良心的な気がして、ナカナカ断定出来ないのです。
他にも『墨黒』なんて表現を使う黒もありますね。コレは簡単な理由で墨色っぽい黒なワケです。だから真っ黒では無い。
それをどんな色?と追求されると結構難しくなります。
少しグレーがかる? とか 薄まったような黒? とかかな?って感じでやっぱり断定出来ません。
チャコールとか、カーキとかも結構人それぞれ感覚が違うので難しかったりします。
更にですが、きっと色の見え方は人によって様々な気がしています。色覚が誰しも同じとは思えない。
生まれながらに色弱の方もいらっしゃいます。例えば1色に対して弱かった時、その方の色の世界観は別世界です。その色の世界がその方にとっての色の世界ですから、同じ色の感覚は共有出来ません。
色覚検査で分かる程、色弱な場合は自分にどの色が欠けているのか分かりますが、色弱かそうでないかの判断が0か1と言う事も無いでしょう。
赤、緑、青の内、赤だけ少し弱い、とか緑だけ少し弱い、とかもあるでしょう。そう思うとナカナカ難しいのです。もしかしたら、自分も弱い色があるかも知れません。そしたら見えてる色の世界は少し違うんです。
なのでご質問いただいた時は、曖昧な表現をしてしまいます。ですが、自己判断とお客様から頂いてる判断の数通りをご返答します。余計に悩まれてしまうかも知れませんが、webにUPする際に大ハズレなカラーで掲載しないように意識しています。当然ホワイトバランスもとっています。返答とweb画像を照らし合わせれば、大凡のカラー判断が出来るようにと思ってやっております。
ナカナカ小難しい色の表現ですが、人それぞれ見えている世界の色は若干違っているかも知れないと思うと、人と人が理解しあったり、意識を共有したりするって事は素晴らしい事なんだなと思ったりしますね。
ワケの分からない駄文でしたが、そんな感じです。
ではでは